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品質は金で買え!?−その2

 「たくさんお金を払ってくれるお客さんにはいいものを提供するけど、そうでないお客さんにはそれなりに対応します。」
 もしあなたの担当するサプライヤーがこの様に言ってきたらどう感じるでしょうか。

 中国の企業などは「始めに利益ありき」という考え方が強く、日本人の品質に関する考え方をなかなか理解してもらえないケースがあります。もっとも、品質管理能力というのは、注文の金額に関わらず、あるインプットに対して、一定のレベルを保ってアウトプットできる能力ではないかと考えます。金額によってこのレベルを上げ下げできるのは、逆の意味ですごい能力だと思いますが。

 ただし、バイヤーは、自分が注文しようとしている金額が、相手にとってどれくらい利益になるのかを冷静に理解しておいた方がよいと思います。自分達がVIPな顧客であれば、ある程度強気に要求を主張してもサプライヤーは聞いてくれるでしょう。ただし、発注量のダウンによるリスクは常に注意する必要があります。発注量が少ない場合は、生産地や工場の変更、材料や工程の変更などによって不良品の発生するリスクが大きくなる可能性があります。

 品質は金え買うのでなく、サプライヤーとの信頼関係の構築によって築くものなのでしょうが、購買リスクとして、「品質は金である」という意識もバイヤーにとっては必要なのかもしれません。
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品質は金で買え!?

 さて、品質に関するトラブルを起こさずに取引を行うには何が必要なのでしょうか。私は基本的に金だと思っています。日本人は非常に特殊な民族だと思います。モノを創る事に非常に長い歴史があり、いい意味での職人気質が伝統として根付いている国です。また、お客さんを大事にする商人の文化もあります。ですから、製造業にしても販売業にしても、まずは「良い」モノを提供するのが第一と考えるのが一般的です。

 しかし、日本人バイヤーにとってはこの考え方が弊害となる場合があります。それは取引の相手を性善説によって信じすぎてしまう面がある事です。

 日本の半導体が世界的に競争力をもっていた1990年前半まで、日米間の貿易摩擦を解消するため、日本の半導体を買っているメーカー各社は、アメリカ製の半導体のシェア拡大に政府から協力を要請されていました。その頃聞いた話ですが、「日本の半導体メーカーは不良率を限りなくゼロに近づけようとする。だから、不良品が出荷された場合は、とても悪い事をしたかの様に感じて、顧客にあらゆる謝罪を行う。一方、アメリカの半導体メーカーは、自社の製品の不良率を公開した上で、その範囲内の不良は当然と考える。」

 当たり前と思っている事が実は特殊である、それが結果として文化や商取引において摩擦を生じる原因となる、これはその典型的な例です。

このテーマにて次回に続きます。


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バイヤーとしての品質確認ポイント

 それでは実際にバイヤーが品質について注意すべきポイントを、前回のケースと共にいくつか挙げてみたいと思います。

・取り決め後にサプライヤーの環境が変わった。
主なポイントは生産場所、材料や原料、機械や人などの生産方法、ロットの増減、などです。現在はグローバルにビジネスが行われる時代です。より安い労働資源を求めて生産場所は国際的に変化します。そのため、時には想像できない様な事例が起きる場合があります。例えば、日本では精密機械を箱に入れる場合、パートのおばさんでも取り扱いには充分注意すると思います。しかし、中国の奥地から都会にやってきたばかりの作業者は、「精密機械」という概念自体がない事もあります。結果として、ただ箱に入れればよいという考えで作業をしてトラブルを起こす場合があります。

・取り決め内容(点)の記録方法に不備があった。
これについてはバイヤーが防止できる部分は少ないかもしれません。ただし、取り決めのプロセスにおいて出来る限り交渉に参加するとか、議事録を確認するとか、決定した仕様について説明を求めるなどによって、ある程度の情報を得ることができます。それから、日常の業務においてサプライヤーと信頼関係を結ぶ努力を積み重ねる事により、トラブルの場合でも感情的にならずに解決を図るというサポートができるはずです。

・取り決め時と社会環境が大きく変わった。
これは色々な要素がありますが、一番重要なのはお金に関することです。例えば為替の変動、購入金額の増減、人件費の高騰などです。取引というのはより儲けさせてくれるお客が大事になるという現実があります。いくら取り決めをきちんとしても、未来永劫それがキープされるとは限りません。バイヤーのシビアな目が重要になります。

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初心わするるべからず

 前回は「品質の点と線を管理する事がバイヤーにとって大事」と書きました。例えば、取引でも結婚でも一年の計でも、最初はとても気を使います。でも、それを続けていく事はどうでしょうか。何事も始めるときは非常なパワーがいりますが、それを続けていく事も同じくらいパワーが必要です。しかし、この事は調達においても意外に盲点となりがちです。

 最初の取り決めがその後維持されないケースにはいくつかの理由があります。
・取り決め後にサプライヤーの環境が変わった。
・取り決め内容(点)の記録方法に不備があった。
・取り決め時と社会環境が大きく変わった。
などです。

バイヤーは、注文を行ってお金を払うという行為を日々続けています。人間の体で言うと呼吸や血液の循環です。その中で、ちょっとした小さな違いに注意できる感覚が重要です。例えば、最近検査における不良率が高いといったわかりやすいインデックスから、いつもは丁寧な梱包がちょっと雑になっているといった細かい事柄まで、いつも取引の中心で活動しているバイヤーが最初に目にする部分に、実は重大なサインが隠されている事がよくあります。


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品質の点と線

購入品の品質に対して、バイヤーが自分で使うかもしくは自分で販売する以外に、バイヤーは基本的な決定権を持っていません。しかし、調達の過程において、バイヤーは購入品の品質に対する責任を持たなくてはなりません。決定権はないが責任はとらなくてはならない、それではどのように対応すれば良いでしょうか。

今回のテーマの通り、バイヤーは品質の「点と線」を管理する必要があります。

点:購入を行う前のサプライヤーとの取り決め
線:取り決めしたレベルが常に保たれているか

点については、サプライヤーとバイヤー間の契約書や仕様書、サンプル、第三者の認定(例:JIS規格)などによって取り決めを行います。バイヤーとしては、ユーザーの要求する内容がきちんと取り決めに盛り込まれているか、確認をとっていく役割があります。

線についてはバイヤーのイニシアチブが重要です。取り決めした内容(点)が本当に守られているか、サプライヤーの状況を見ながら管理していく重要なポジションになるといえます。
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バイヤーと品質について

久しく更新しておりませんでした。申し訳ありません。

さて、今回からは仕様・品質についてバイヤーの観点から考えてみたいと思います。

私が会社に入ってバイヤーの仕事を始めた時、バイヤーの守るべき3要素として「QCD」という言葉を教わりました。
Q:Quality 品質
C:Cost 価格
D:Delivery 納期
その中でもQすなわち品質は一番最初にあるから、一番大事なんだよと習った記憶があります。(もっとも今の私であれば、この3つのバランスをとる事がバイヤーの仕事であると考えますが。)

価格の考察の時にも簡単に触れましたが、調達するアイテムに対してどのような仕様・品質を要求するかということは、単に調達の成果のみならず、そのアイテムを利用して作る自社製品の仕様・品質にも大きな影響を与えます。また、仕様・品質を決める過程においては、単にバイヤーのみならず、設計、製造、販売、品質保証、サプライヤーなどなど、多数の方と共同作業を進めながら決めていく事にもなります。バイヤーにとっては交渉能力も重要になってきます。

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